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肩が痛い

肩の痛みで腕が上がらない、夜間に痛みで眠れないなど、つらい症状に長く悩まれている方も多くいらっしゃいます。当院では、脊椎外科の専門医が最新のリハビリ機器を用いた治療や、日常生活・服薬に関する的確なアドバイスを行い、肩の痛みの改善をサポートしています。肩の痛みを引き起こす主な疾患について、その症状や原因、治療法などを紹介していますので、「肩がつらい」と感じたらお気軽にご相談ください。※診断には医師の診察が必要です。

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五十肩(肩関節周囲炎)

症状

肩関節が痛み、関節の動きが悪くなります(運動制限)。

●運動痛:動かす時に痛みがありますが、あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなってしまいます。髪を整えたり、服を着替えることが不自由になることがあります。
●夜の痛み:夜中にズキズキ痛み、ときに眠れないほどになることもあります。

症状 症状
原因と病態・診断

[原因と病態]
中年以降、特に50歳代に多くみられ、その病態は多彩です。
関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)。

[診断]
圧痛の部位や動きの状態などをみて診断します。肩関節におこる痛みには、いわいる五十肩である肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症のほかに、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩腱板断裂などがあります。
これらは、X線(レントゲン)撮影、関節造影検査、MRI、超音波検査などで区別します。

予防と治療

自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、関節が癒着して動かなくなることもあります。
痛みが強い急性期には、三角巾・アームスリングなどで安静を計り、消炎鎮痛剤の内服、注射などが有効です。急性期を過ぎたら、温熱療法(ホットパック、入浴など)や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。
これらの方法で改善しない場合は、手術(関節鏡など)を勧めることもあります。

肩腱板断裂

症状

40歳以上の男性(男62%、女38%)、右肩に好発します。発症年齢のピークは60代です。
肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由です。 運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。

五十肩と違うところは、拘縮、すなわち関節の動きが固くなることが少ないことです。 他には、挙上するときに力が入らない、挙上するときに肩の前上面でジョリジョリという軋轢音がするという訴えもあります。

症状
原因と病態・診断

[原因と病態]
腱板断裂の背景には、腱板が骨と骨(肩峰と上腕骨頭)にはさまれているという解剖学的関係と、腱板の老化がありますので、中年以降の病気といえます。
明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で、断裂が起きます。男性の右肩に多いことから、肩の使いすぎが原因となってことが推測されます。
断裂型には、完全断裂と不全断裂があります。若い年齢では、投球肩で不全断裂が起こることがあります。

[診断]
診察では、肩が挙上できるかどうか、拘縮があるかどうか、肩を挙上して肩峰の下で軋轢音があるかどうか、棘下筋萎縮があるかどうか調べます。軋轢音や棘下筋萎縮があれば、腱板断裂を疑います。
X線(レントゲン)所見では、肩峰と骨頭の間が狭くなります。MRIでは骨頭の上方の腱板部に断裂の所見がみられます。

原因と病態・診断 原因と病態・診断
予防と治療

●保存療法
急性外傷で始まった時には、三角巾で1~2週安静にします。断裂部が治癒することはありませんが、70%は保存療法で軽快します。
保存療法では、注射療法と運動療法が行なわれます。
注射療法では、肩関節周囲炎を併発して夜間痛があると、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤を肩峰下滑液包内に注射しますが、夜間痛がなくなればヒアルロン酸の注射に変えます。腱板のすべてが断裂することは少ないので、残っている腱板の機能を賦活させる腱板機能訓練は有効です。

●手術療法
保存療法で肩関節痛と運動障害が治らないときは、手術を行ないます。手術には、関節鏡視下手術と通常手術(直視下手術)があります。
関節鏡視下手術の方が低侵襲で、手術後の痛みが少ないので、普及してきていますが、大きな断裂では、縫合が難しいので、直視下手術を選択するほうが無難です。
どちらの手術も、手術後は、約4週間の固定と2~3ヵ月の機能訓練が必要です。

予防と治療 予防と治療
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